日本は食材や食品が豊富に手に入る国です。その一方、実際の食習慣には偏りが目立ちます。朝食を抜く若者、塩分や脂質の多い食事が続く働き盛り世代。こうした傾向は個人の健康だけでなく、生活習慣病リスクや社会全体の医療費、企業の生産性にも影響しています。
厚生労働省「国民健康・栄養調査」や「健康日本21(第三次)」は、日本人の食習慣を明確な数値で示しており、課題が浮き彫りになっています。本記事では、野菜摂取量・塩分摂取量・朝食欠食率の最新データをもとに、なぜ“大人の食育”が必要とされるのかを整理し、さらに「会社で今できること」を具体的に紹介します。
国民健康・栄養調査や食育白書からの数値データ
それでは、厚生労働省「国民健康・栄養調査(令和5年)」また農林水産省「令和5年度食育推進施策(食育白書)」のデータを元に、日本国民の目標値に対する実際の数値を確認していきましょう。
参考:厚生労働省「国民健康・栄養調査(令和5年)」
参考:農林水産省「令和5年度食育推進施策(食育白書)」
野菜摂取量―平均256gという現実
成人の野菜の目標摂取量は「350ℊ」。野菜不足が叫ばれていますが、令和5年の同調査では、野菜摂取量は男性262.2ℊ、女性250.6ℊ、平均256.0g。目標値の350gに大きく届いていません。年々減少傾向にあるのが実状です。年齢階級別に見ると、男女ともに20歳代が野菜を食べている量が少なく、年齢が上に行くにつれて野菜摂取量は多いという結果が出ています。特に働き世代の野菜不足による免疫力の低下や集中力の低下、腸内環境の悪化などが懸念されます。

塩分摂取量―男性10.7g、女性9.1gの壁
国では食塩摂取量の減少を掲げており、目標値を「7.0g」としています。同調査の結果では、日本人の食塩摂取量は男性10.7g、女性9.1g。目標7.0ℊ未満を大きく上回り、日本人は塩分を摂りすぎている結果が出てます。これは過去10年間、ほぼ横ばいの数値です。塩分過多は高血圧や循環器疾患だけでなく、日常的な倦怠感や頭痛の要因ともなり、仕事のパフォーマンスを下げてしまう可能性があります。

朝食欠食―若い世代の28.3%が食べていない
「令和5年度 食育白書」では、朝食を欠食する人の割合が依然として高いことが示されています。特に若い世代である20代~30代では 28.3%が「週に2〜3日」あるいは「ほとんど食べない」と回答しており、全世代と比べても突出しています。さらに内訳を見ると、男性では 22.8% が「ほとんど食べない」と答えています。
厚生労働省が進める「健康日本21(第三次)」では、若年層の朝食欠食率を「15%以下」に抑えることを目標に掲げていますが、現状とのギャップは大きいままです。企業が働き盛り世代の健康を守り、生産性を高めるためには、朝食の習慣化を支援する取り組みや社内でのきっかけ作りが求められます。
数値が示すのは「知っている」と「できている」のギャップ
各種調査データを見ると、野菜摂取量や朝食欠食、塩分摂取といった課題は、決して新しいものではありません。多くの人が「野菜は足りていない」「朝食は大切」「塩分は控えた方がよい」と理解しています。それでもなお、実際の行動が伴っていない点に、大人の食育の難しさがあります。
特に働く世代は、時間的制約や業務優先の生活リズムにより、「分かってはいるが実践できない」状況に陥りやすい層です。このギャップは、個人の意識や努力だけで解消できるものではなく、食を取り巻く環境や選択肢の影響が大きいことが、各種データからも読み取れます。
健康日本21(第三次)や食育白書では、こうした背景を踏まえ、食生活の改善を「自己責任」に委ねるのではなく、社会全体で支える視点の重要性が示されています。つまり、数値が示しているのは「知識不足」ではなく、「行動につながるきっかけや環境が不足している」という現実です。
だからこそ、大人の食育では、正しい情報を伝えるだけでなく、日常の中で自然と選びやすくなる仕組みづくりや、体験を通じた気づきが求められています。データは、企業や組織が食の取り組みを考える際の“出発点”であり、「なぜ今、職場で食育が必要なのか」を裏付ける重要な根拠と言えるでしょう。
データが示す「個人努力の限界」
国の調査データを見ると、多くの食生活課題は長年にわたり大きく変化していないことが分かります。これは、個人の意識や知識だけでは改善に限界があることを示唆しています。
特に働き盛り世代では、
・時間制約
・食環境の影響
・生活リズムの乱れ
といった要因が重なり、理想的な食生活を実践しにくい状況があります。そのため近年は、個人に努力を求めるのではなく、環境や機会をどう設計するかという視点が重視されるようになっています。
国の施策と“大人の食育”
これらの課題は国も強く認識しています。厚生労働省の「健康日本21(第三次)」は数値目標を掲げ、農林水産省の「第3次食育推進基本計画」や「食育白書」では“大人の食育”の重要性を明確に示しました。
さらに2025年度からは食育実践優良法人認定制度が始まり、企業の食環境整備や食育の推進を評価する仕組みが導入されます。健康経営優良法人認定制度との相乗効果も期待され、企業活動と食育は切り離せないテーマになりつつあります。

いま会社でできること
課題は分かっていても「実際に何をすればいいのか?」と悩む企業も多いはずです。ここでは、国の数値目標を踏まえて職場でできる取り組みを紹介します。
野菜摂取を増やす
減塩を支援する
朝食習慣を後押しする
社内施策の成功ポイント
こうした施策は、まず情報発信やプチセミナーなどの小さなことから始めてみましょう。少しづつ、出来ることからで大丈夫です。
また初めからすべてを社内で行おうとすると大変なので、社外の食育のプロに頼むのも1つの手です。専門家なら他社の様々な経験も豊富で、成功への近道ともなります。気軽に相談してみましょう。
そして、社内で情報提供ができるようになったら、実践や体験につなげていくことがポイントです。朝食や野菜を置くことだけ・イントラ掲載やセミナーだけのどちらか一方だけでなく、両方を組み合わせて食育プログラムにしていくことで。相乗効果が生まれるでしょう。また料理教室や農業体験などの体験型施策を組み込むことで、より意識改革につながります。

まとめ
日本人の食習慣データが示すのは、特に「野菜不足」「減塩」「朝食欠食」という3つの課題です。
野菜摂取目標量 350ℊ
食塩摂取量目標値 7.0g未満
朝食欠食率 15%以下
これらは健康寿命の延伸だけでなく、働く世代の集中力や生産性に直結しています。だからこそ、大人自身が主体的に食を選ぶ力=“大人の食育”が求められているのです。
大人は1日のうちの多くの時間を、職場で過ごします。つまり会社で大人の食育を行うことで、社内メンバーの食生活が変わっていく可能性が高まるわけです。
企業にとっても、従業員の「食生活」の改善することは健康経営・人材定着・制度認定にも直結します。まずは職場でできる小さな工夫から始め、社員の健康を支える仕組みを作ることが、結果的に企業価値を高めることにつながります。「食育」から従業員の健康づくりを考えてみましょう。
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